特定技能評価試験とは?試験内容や合格証明書を受け取るまでの流れ
こんにちは、JAC(建設技能人材機構)の加納です。
在留資格「特定技能」を取得するためには、「特定技能評価試験」に合格する必要があります。
今回は、特定技能評価試験の内容や、試験の申込みから合格までの流れを紹介します。
特定技能評価試験とは?
特定技能評価試験とは、外国人が「特定技能」の在留資格を取得するために受ける試験です。
仕事がスムーズにできるかの技能水準を測ります。
ただし、特定技能評価試験が免除になるケースもあります。
特定技能評価試験が免除になる条件
特定技能評価試験が免除になるのは、同じ仕事の区分で技能実習2号を良好に終了した者が特定技能に移行する場合です。
関連のある仕事につく技能実習2号を良好に修了した外国人は、「その仕事ができる技能」をすでに持っていると判断されます。
そのため、特定技能評価試験は免除され、「特定技能1号」の在留資格を取れます。
「技能実習2号を良好に修了する」とは?
「技能実習2号を良好に修了する」とは、技能実習を2年10か月以上修了し、次のどちらかに当てはまる人です。
- 技能検定3級に合格している
- 技能検定3級に相当する技能実習評価試験(専門級)の実技試験に合格している
実技試験に合格していない場合は、技能実習生に関する評価調書※があれば、良好であると認められます。
※技能実習を行っていた実習実施者(旧技能実習制度における実習実施機関を含む。)が実習中の出勤状況や技能などの修得状況、生活態度などを記載した評価に関する書類
特定技能については「特定技能制度とは?わかりやすく説明します!」で詳しく説明しています。
ぜひ参考にしてください。
特定技能評価試験の内容とは?
特定技能評価試験は、16の分野に分かれています。
分野別に次のような技能評価試験があります。
- 介護分野:介護技能評価試験
- ビルクリーニング分野:ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験
- 製造分野:製造分野特定技能1号評価試験
- 建設分野:建設分野特定技能1号評価試験
- 造船・船用工業分野:造船・舶用工業分野特定技能1号試験
- 自動車整備分野:自動車整備特定技能評価試験
- 航空分野:航空分野技能評価試験(空港グランドハンドリング)、航空分野技能評価試験(航空機整備)
- 宿泊分野:宿泊業技能測定試験
- 農業分野:農業技能測定試験(耕種農業全般)、農業技能測定試験(畜産農業全般)
- 漁業分野:漁業技能測定試験(漁業)、漁業技能測定試験(養殖業)
- 飲食料品製造分野:飲食料品製造業特定技能1号技能測定試験
- 外食業分野:外食業特定技能1号技能測定試験
- 自動車運送業:自動車運送業分野特定技能1号評価試験(トラック)及び第一種運転免許、自動車運送業分野特定技能1号評価試験(タクシー)及び第二種運転免許...その他
- 鉄道:鉄道分野特定技能1号評価試験(軌道整備)、 技能検定3級(機械加工)...その他
- 林業:林業技能測定試験
- 木材産業:木材産業特定技能1号測定試験
この中で、建設分野特定技能1号評価試験の技能評価試験の内容を参考に紹介します。
建設分野の技能評価試験(建設分野特定技能1号評価試験)の概要
建設分野の技能評価試験は、学科試験と実技試験です。
試験は日本語でおこなわれます。
試験概要は次の表のとおりです。
学科試験 | 実技試験 | |
---|---|---|
問題数 | 30問 | 20問 |
試験時間 | 60分 | 40分 |
出題形式 | 真偽法(〇×)および2~4択式 | 真偽法(〇×)および2~4択式 |
実施方法 | CBT方式 | CBT方式 |
合格基準 | 合計点の65%以上 | 合計点の65%以上 |
建設分野の試験範囲は、業務区分【土木】、業務区分【建築】、業務区分【ライフライン・設備】の3つの試験区分です。
詳しい試験範囲は、以下のページからダウンロードできます。
建設分野特定技能評価試験
建設分野の特定技能評価試験の申込みから合格証書を受け取るまでの流れ
特定技能評価試験の申込みから合格証明書を受け取るまでの流れについて、建設業の場合を例に説明します。
特定技能評価試験を「日本国内で受ける場合」と「日本国外で受ける場合」に分けて紹介します。
日本国内で試験を受ける場合の流れ
申込みから合格証書を受け取るまでは、次のような流れです。
- マイページにアカウントを登録する
- イベント申込みアプリ「JAC ExamForm」をインストールする
- 受験申込みをする
- マイページに受験票が届く
- 受験する
- マイページに試験の結果が届く
- 合格だった場合、マイページに合格証書が届く
マイページの登録やアプリのインストール方法・操作方法は、こちらのページで詳しく解説しています。
日本国外で試験を受ける場合の流れ
特定技能評価試験は、プロメトリックにて次のような流れで日本国外でも試験を受けることができます。
- プロメトリックIDを作成する
- 試験日の3営業日(注1)前の23:59(日本時間)までに試験を予約(注2)する
- 本人確認書類(国によって異なる)を持って受験会場へ行く
- 受験する
- 試験終了後にパソコンに結果が表示される
- プロメトリックのマイページに結果通知書が届く
※結果通知書は受験後5営業日以内に、マイページにログインの上で確認 - スマホアプリ「JAC Members」(注3)を使って、合格証を申請
※合格証は発⾏後、6ヶ⽉以内にダウンロード
※注1:営業日は、土日・日本の祝日・年末年始休業を除いた日
※注2:試験は、下記ページから申し込んでください
日本語の申し込みページ
インドネシア語の申し込みページ
英語の申し込みページ
※注3:登録方法は「合格証のもらい方(日本以外で試験を受けたとき)」から確認してください
在留資格「特定技能」を取得するためには日本語試験の合格も必要
日本語試験は、特定技能のすべての分野で共通する試験です。
「日本語能力試験(JLPT)」N4以上、または「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT)」の合格が必要です。
※介護分野は、さらに「介護日本語評価試験」に合格する必要があります。
技能評価試験と同じように、「技能実習2号を良好に終了した者」は日本語試験が免除されます。
すでに「働くのに困らない日本語能力」を持っていると判断されるためです。
日本語能力試験(JLPT)とは?
日本語能力試験(JLPT)は、日本語が母語ではない人を対象にした日本語能力を測定する試験です。
試験が受けられるのは、7月と12月の年2回です(ただし、日本国外で受ける場合は変わることがあります)。
出題方法はマークシート方式で、問題文は日本語で書かれています。
N1~N5のレベルがあり、N1が一番難しいです。
特定技能を取得するためには、N4レベル以上が必要になります。
N4は、基本的な日本語を理解することができるレベルです。
試験科目や時間は、N1~N5で違います。
レベル | 試験科目【試験時間】 | ||
---|---|---|---|
N1 | 言語知識(文字・語彙・文法)・読解【110分】 | 聴解【55分】 | |
N2 | 言語知識(文字・語彙・文法)・読解【105分】 | 聴解【50分】 | |
N3 | 言語知識(文字・語彙)【30分】 | 言語知識(文法)・読解【70分】 | 聴解【40分】 |
N4 | 言語知識(文字・語彙)【25分】 | 言語知識(文法)・読解【55分】 | 聴解【35分】 |
N5 | 言語知識(文字・語彙)【20分】 | 言語知識(文法)・読解【40分】 | 聴解【30分】 |
国際交流基金日本語基礎テスト(JFT)とは?
国際交流基金日本語基礎テスト(JFT)は、日本語が母語ではない人が「ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の能力」があるかを判定するテストです。
受験レベルは1つです。
パソコンやタブレットを使用するCBT方式でおこなわれます。
問題文は英語で書かれていますが、「Your Language」ボタンを押すと現地語で読むことができます。
Your Languageには、以下の言語があります。
- Your Language 1:英語、中国語、インドネシア語、クメール語、モンゴル語、ミャンマー語、ネパール語、タイ語、ベトナム語
- Your Language 2:ウズベク語、ベンガル語、ラオス語、マレー語
問題は約50問で、受験時間は60分間です。
次の4つの分野があります。
- 文字と語彙(約12問)
- 会話と表現(約12問)
- 聴解(約12問)
- 読解(約12問)
各分野ごとの解答制限時間はありません。
日本語試験については「外国人が受ける日本語能力試験とは?種類やレベルも紹介」で、さらに詳しく解説しています。
まとめ:特定技能評価試験とは在留資格「特定技能」取得に必要な試験
特定技能評価試験は、仕事の技能水準があるかどうかを判断するための試験です。
特定技能評価試験は特定技能の分野別に受ける試験が異なり、建設業の場合は「建設分野特定技能1号評価試験」です。
試験の受け方は、分野によって違います。
まずは、自分が受ける分野の技能評価試験を調べてみてください。
また、技能実習を良好に修了していない場合は、特定技能の在留資格を取得するには、日本語試験に合格する必要があります。
「日本語能力試験(JLPT)」N4以上、または「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT)」の合格が条件です。
日本語の勉強も忘れずにしてくださいね。
※この記事は2024年5月の情報で作成しています。
わたしたち JAC(ジャック)について
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