特定技能制度とは?わかりやすく説明します!

こんにちは、JAC(建設技能人材機構)の加納です。

外国人のみなさんが「日本ではたらきたい」と思ったとき、「特定技能制度」というものがあります。

日本で2019年にできた制度なので、知らない人も多いでしょう。

そこで、今回は「特定技能制度」について、つぎのようなことを説明します。

  • どんな制度なの?
  • どんな仕事をすることができるの?
  • 特定技能にはどんな種類があるの?
  • 支援をうけられるの?
  • 特定技能になるにはどうしたらいいの?

特定技能制度とは? わかりやすく解説!

特定技能制度とは、外国人が日本に入国して在留するための、在留資格のひとつです。
「特定技能(SSW/Tokuteiginou)」と、よぶこともあります。

日本は人口が減っていて、はたらく人が足りません。

そこで、「すでに特定の分野の仕事の技術をもっていて」「生活にこまらない程度の日本語がわかる」外国人の皆さんに、日本で「すぐに、はたらいてもらうこと」を目的として特定技能制度ができました。

特定技能には「特定技能1号」と「特定技能2号」という2種類の資格があります。

特定技能制度ではたらけるのは「特定産業分野」とよばれる仕事で、日本でとくに人手不足の仕事です。

特定技能1号と特定技能2号では、できる仕事も違います。

2024年5月現在、特定技能1号ではたらける産業分野は以下の16分野です。

  • 介護
  • ビルクリーニング ★
  • 工業製品製造業(旧:素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業)★
  • 自動車整備 ★
  • 航空 ★
  • 宿泊 ★
  • 農業 ★
  • 漁業 ★
  • 飲食料品製造業 ★
  • 外食業 ★
  • 建設 ★
  • 造船・舶用工業 ★
  • 自動車運送業
  • 鉄道
  • 林業
  • 木材産業

「★」のない産業分野は、特定技能2号では働くことはできません。

特定技能と技能実習の違い

外国人が日本ではたらく制度には「技能実習」もありますが、特定技能とは違います。

  • <特定技能>
  • 日本語の試験があります(特定技能2号では試験はありません)。
  • はたらく仕事の知識や技術が必要です。
  • 特定技能2号なら、家族もいっしょに日本に住めます(条件があります)。
  • 特定技能2号なら、日本に住める期間が決まっていません。
  • <技能実習>
  • 日本語の試験はありません(介護の仕事だけは日本語の試験があります)。
  • はたらきながら知識や技術を勉強します。
  • 家族は日本でいっしょに住むことができません。
  • 日本に住める期間が決まっています。

特定技能は、家族がいっしょに日本に住むことができたり、期間を決めずに日本に住むことができる資格もあります。
これは、特定技能は「日本ではたらいてもらうため」の制度だからです。

技能実習は「日本で勉強したことを、母国に帰って広めてもらうこと」が目的なので、日本に長く住むことはできません。

特定技能の種類「特定技能1号」「特定技能2号」とは?

特定技能には、1号・2号という資格があります。

1号と2号は、はたらける仕事の種類や、はたらくのに必要な仕事の技術が違います。

特定技能2号になるためには、特定技能1号ではたらいたあとに、特定技能2号になるための試験を受けて合格する必要があります。

  特定技能1号 特定技能2号
資格の内容 特定産業分野である程度の技術をもっている外国人向けです。 特定産業分野でその仕事に慣れていて、すぐれた技術をもっている外国人向けです。
在留期間 1年、6か月または4か月ごとに更新があり、期間は合わせて5年までです。 3年、1年または6か月ごとに更新がありますが、期間は決まっていません。
必要な技術 試験などで確認します
(技能実習2号を修了した外国人は、試験がないこともあります)。
試験などで確認します。
日本語能力水準 生活や仕事に必要な日本語能力を試験で確認します
(技能実習2号が終わった外国人は試験がないこともあります)。
試験はありません。
家族も日本に住めるか 家族は日本に住めません。 条件にあてはまれば、妻や夫、子は日本に住めます。
受入機関または登録支援機関による支援 対象です。 対象になりません。

次に、表のいちばん下の「受入機関または登録支援機関による支援」について説明します。

特定技能制度の1号特定技能外国人は支援を受けられる

特定技能1号の外国人は、日本での生活や仕事にこまらないように、いろいろな支援が受けられます。

支援活動をおこなうのは、受入機関(はたらく会社)か、受入機関のかわりに支援活動をしてくれる「登録支援機関」です。

  • たとえば、こんな支援を受けることができます。
  • 仕事内容や賃金、入国手続きの方法などを教えてもらえます。
  • 母国から日本に来るときと、日本から母国に帰るときに、空港や港まで送り迎えをしてもらえます。
  • 日本で住むための家を探す手伝いをしてもらえます。
  • 日本で病気になったときにどうするか、電車の乗り方、銀行の利用方法など、生活にかんする便利なサービスを教えてもらえます。
  • 必ず出さなければいけない書類を書くのを手伝ってもらえます。
  • 日本語を学べる場所や教室を教えてもらえたり、日本語を勉強する学校に入るための手続きを手伝ってもらえます。
  • 仕事や生活でこまったときには、相談や対応をしてもらえます。
  • 住んでいるところでの住民同士の行事を教えてもらえたり、行事に参加するための休みを取りやすくしてもらえます。
  • はたらいている会社がなくなってしまうなど、はたらけなくなった場合、次にはたらく場所を探すのを手伝ってもらえます。
  • 3か月に1回より多い回数、仕事先の上司と顔を合わせて話し、こまっていることがないか聞いてもらえます。

特定技能を取得する方法とは?

特定技能を取得するためには、「技能水準を評価する試験」と「日本語の試験」の2つに合格しなければなりません。

「技能水準を評価する試験」は、はたらく業種によって、試験の内容や試験を行う場所、試験を受ける日が違います。

特定技能1号から特定技能2号になる場合も、「特定技能評価」という試験が行われます。

  • 「日本語の試験」は「日本語能力試験 (JLPT)」または「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT)」のどちらかひとつを選びます。
  • 日本語能力試験(JLPT):特定技能の取得にはN4以上が必要です。
  • 国際交流基金日本語基礎テスト(JFT):250点満点中200点以上が合格です。

日本語能力試験(JLPT)と国際交流基金日本語基礎テスト(JFT)は、どちらの試験を受けてもいいです。

国際交流基金日本語基礎テスト(JFT)は、日本語能力試験(JLPT)よりも、試験が行われる回数が多く、パソコンやタブレットを使った試験なので、合格がすぐにわかります。

技能実習から特定技能に移行することも可能!

マグロ一本釣りをする漁師

技能実習2号を2年10か月以上、良好に終わらせた技能実習生は、同業種であれば、在留資格を特定技能に変えて、日本ではたらくこともできます。

  • ただし、技能実習から特定技能に変えられる業種は限られています。
  • 農業関係
  • 漁業関係
  • 建設関係
  • 食品製造関係
  • 繊維・衣服関係
  • 機械・金属関係
  • その他(家具製作、印刷、ビルクリーニング、介護など)
  • 空港グランドハンドリング など

技能実習から特定技能に変えるために試験は必要?

特定技能1号を取得するためには「技能試験」と「日本語能力試験」が必要ですが、技能実習から移行する場合は、試験が免除されます。

移行は、書類の提出だけで完了します。

ただし、技能実習2号を2年10か月以上「良好に終わらせた」場合なので、「技能検定3級」か「これに相当する技能実習評価試験の実技試験」に合格していることが必要です。
もしくは、この2つどちらかに合格していなくても、「評価調書」があればOKです。

技能実習2号の在留期限が終わる前に、担当の地方出入国在留管理局に「在留資格変更許可申請書」と「特定技能1号」取得に必要な書類を出すと、特定技能1号に変えることができます。
※ただし、書類の審査(詳しく調べて結論を出すこと)に2か月〜3か月かかることがあります。

建設業界の特定技能制度は、JAC(建設技能人材機構)がサポートします!

JAC(建設技能人材機構)は、日本の建設業で特定技能外国人としてはたらく皆さんが、きちんとした給料・待遇を受けられるように、建設業界でつくった団体です。

JACでは、外国人のみなさんが安心してはたらけるように、ガイドライン(会社に守ってもらう約束)をつくったり、転職(仕事を変えたい)のときに転職先を無料(0円)で紹介しています。

JACでは、毎月、「特定技能1号試験」のテキストをわかりやすく説明するセミナーをやっています。そのなかで、仕事のさがし方や、試験を受ける方法をオンラインで説明しています。無料(0円)で参加でき、スマホでも見ることができます。ぜひ参加してください。今までやったセミナーの動画もみることができます。

特定技能制度とは技術を持つ外国人に日本ではたらいてもらうための制度

特定技能制度とは、外国人が日本に入国して在留するための、在留資格のひとつです。

日本は、人口が減っていて、はたらく人が足りないので、「すでに特定の分野の仕事の技術をもっていて」「生活にこまらない程度の日本語がわかる」外国人のみなさんに、日本ではたらいてもらうためにつくられた制度です。

特定技能には「特定技能1号」と「特定技能2号」の2種類の資格があり、
在留期間や家族と一緒に住めるかなどの違いがあります。

特定技能外国人になるためには、日本語と技能水準の試験に合格しなければなりません。
ただし、技能実習生としてはたらいてきた人は、試験を受けずに特定技能に変えることもできます。

 

わたしたち JAC(ジャック)について

JAC(建設技能人材機構)は、日本の建設業ではたらくすべての特定技能外国人を支援する組織です。特定技能外国人を受け入れる企業と協力して、みなさんがはたらきやすい仕事の環境をととのえています。

また、みなさんが特定技能外国人になるために必要な試験をおこなっています!

そしてJACには、特定技能外国人に仕事をしてほしい会社から、たくさんの求人のおねがいがきています。
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