技能実習から特定技能へ移行できる?条件や移行方法を紹介

こんにちは、JAC(建設技能人材機構)の加納です。

技能実習生として日本で働いているみなさんの中には、在留資格である「特定技能」に変わることができるか知りたい人もいるでしょう。

今回は「技能実習から特定技能へ移行できるか」というお話です。
移行できる条件、対象の職種、手続き方法を説明します。

在留資格「技能実習」「特定技能」とは? 違いを知ろう

「技能実習」「特定技能」はそれぞれ別の目的で作られた制度です。

<技能実習>

外国人の皆さんに、日本で技術を勉強し、母国に帰って知識や技術を広めてもらうこと。

<特定技能(SSW/Tokuteiginou)>

「すでに特定の分野の仕事の技術をもっていて」「生活にこまらない程度の日本語がわかる」外国人のみなさんに、日本ですぐに、働いてもらうこと。

技能実習と特定技能には、次のような違いがあります。

<技能実習>

  • 日本語の試験はありません(介護の仕事だけは日本語の試験があります)。
  • 働きながら知識や技術を勉強します。
  • 家族は日本でいっしょに住むことができません。
  • 日本に住める期間が決まっています。

<特定技能>

  • 特定技能1号、特定技能2号という2種類の資格があります。
  • 働けるのは「特定産業分野」の業種のみです。
  • 働く仕事の知識や技術が必要です。
  • 日本語の試験があります(特定技能2号では試験はありません)。
  • 特定技能2号なら、家族もいっしょに日本に住めます(条件はあります)。
  • 特定技能2号なら、日本に住める期間が決まっていません。

特定技能については、「特定技能制度とは?わかりやすく説明します!」で詳しく説明しています。
在留期間や必要な技術についても説明しているので、ぜひ読んでください。

技能実習から特定技能へ移行は可能? 条件や職種を紹介

技能実習から特定技能へ移行することができます。
ただし、条件があります。

条件①移行できるのは対象の職種のみ

技能実習から特定技能に移行できる職種は限られています。

2023年10月時点では、以下の12分野です。

  • 介護分野
  • ビルクリーニング分野
  • 素形材・産業機械・電気電子情報関連産業分野
  • 建設分野
  • 造船・舶用工業分野
  • 自動車整備分野
  • 航空分野
  • 宿泊分野
  • 農業分野
  • 漁業分野
  • 飲食料品製造業分野
  • 外食業分野

技能実習にはあって、特定技能にはない職種・作業もあります。
どの作業が移行の対象かは、外国人技能実習機構の「移行対象職種情報」から確認できます。

条件②技能実習の職種と特定技能の職種が同じ

技能実習から特定技能に移行するためには、職種が同じであることが条件です。
技能実習と特定技能の職種が変わる場合は、技能試験に合格しなければなりません。

条件③技能実習2号を良好に修了している

技能実習1号から特定技能へは移行できません。
技能実習から特定技能に移行するためには、技能実習2号を良好に修了している必要があります。

「良好に修了している」とは、「技能実習を実習計画にそって2年10か月以上の期間で修了している」ことです。
さらに、「技能検定3級または、それに相応する技能実習評価試験に合格している」または「実習に対する評価調書がある」ことが条件です。

技能実習3号から特定技能に移行する場合は、実習計画が終わっていることが条件です。

技能実習から特定技能へ移行するための手続き

※手続きは、働く会社(受入機関)が行います。

技能実習から特定技能へ移行するには、働く会社(受入機関)が「地方出入国管理局」に書類を提出して、手続きをします。

提出してから申請が認められるまで、2~3カ月かかることがあります。

申請には以下の書類が必要です。

  • 在留資格変更許可申請書
  • 申請書(外国人と受入機関がそれぞれ作成)
  • 技能水準、日本語能力水準に関する書類
  • 労働条件に関する書類
  • 労働保険・社会保険・税に関する書類(外国人と受入機関がそれぞれ作成)
  • 特定技能1号の外国人の支援に関する書類

書類の用意が間に合わない場合には特例措置がある

申請が間に合わない場合は、特例措置(特別に対応してくれる方法)があります。

特定技能として働く予定の会社で、働きながら移行の準備ができる「特定活動(4カ月・就労可)」への在留資格変更許可申請が可能です。

ただし、複雑な条件がありますので、働く会社に出入国在留管理庁のホームページを確認してもらいましょう。

特例措置を受けられる条件

  • 申請人の在留期間の満了日までに「特定技能1号」への在留資格変更許可申請を行うのがむずかしいと認められる理由があること。
  • 受入機関で、特定技能外国人として「特定技能1号」にある業務で働くために、在留資格変更許可申請を予定していること。
  • 「特定技能1号」で働く予定の業務と同様の業務で働くこと。
  • 申請人が特定技能外国人として働く場合に支払われる予定の賃金と同額であり、日本人が働く場合と同額以上の賃金を受けること。
  • 申請人が特定技能外国人として働くために必要な技能試験と、日本語試験に合格していること。(※技能実習2号良好修了者として試験免除となる場合も含む。)
  • 受入機関または支援委託予定先が、申請人の在留中の日常生活などの支援を適切に行うことができること。
  • 受入機関が、申請人を適正に受け入れられること。

特例措置に必要な書類

  • 在留資格変更許可申請書
  • 受入機関が作成した説明書
  • 雇用契約書と雇用条件書等の写し
  • 特定技能外国人として業務に働くために必要な技能試験と日本語試験に合格していること、または、技能実習2号良好修了者などの試験免除であることを証明する資料

技能実習から特定技能へ移行するメリットは?

技能実習から特定技能に移行すると、次のメリットがあります。

母国に戻らなくても手続きを進めることができる

技能実習は、修了後に母国に戻る必要があります。
特定技能に移行すれば、日本に住みながら、手続きを進めることができます。

日本で長く働ける

特定技能に移行することで、日本で学んだ技術や知識、日本語を活かして、日本で長く働くことができます。
同じ会社であれば、仕事のやり方にも慣れているので安心して働けます。

特定技能1号の在留期間は、5年までです。
特定技能2号は、在留期間の決まりはありません。
※更新が必要です。

賃金が高くなる

特定技能外国人は、日本人と同等の仕事をする場合、同じ水準以上の賃金が支払われます。

まとめ:技能実習から特定技能に移行することは可能です!

技能実習と特定技能には、条件や在留期間に違いがありますが、うつることができます。
技能実習から特定技能に移行することで、日本で長く働くことができたり、賃金が上がったりするメリットがあります。

移行するには、技能実習2号を良好に修了している必要があります。
手続きは、働く会社(受入機関)が行います。
会社から地方出入国在留管理局に、必要な書類を提出してもらってくださいね。

 

わたしたち JAC(ジャック)について

JAC(建設技能人材機構)は、日本の建設業ではたらくすべての特定技能外国人を支援する組織です。特定技能外国人を受け入れる企業と協力して、みなさんがはたらきやすい仕事の環境をととのえています。

また、みなさんが特定技能外国人になるために必要な試験をおこなっています!

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