日本の食事マナーを知ろう!NGなご飯の食べ方も確認!
こんにちは、JAC(建設技能人材機構)の加納です。
日本で食事をするときには、知っておきたい食事マナーがあります。
毎日の食事でもマナーは大切ですが、仕事で上司と食べるときや、取引先の人と食べるときには、とくに気をつけたいマナーもあります。
基本的な食事マナーや箸(はし)の使い方、片付け方を知っておきましょう!
また、やってはいけないことも確認しておけるといいですね。
日本の食事(行動・食べ方)のマナーをご紹介
日本で食事をするときには、マナーを守ると一緒に食事をする人も気持ちよくご飯が食べられます。
良いマナーや、やってはいけないことを紹介します。
日本の食事のマナー:良い食べ方
日本で食事をするときには、次のことに気をつけてみましょう。
①食事のあいさつをする
日本では、食事の前と後にあいさつをします。
胸の前で両手の平を合わせ、食事の前には「いただきます」、食後は「ごちそうさまでした」と言います。
食材や食材を育てた人、料理を作った人など、さまざまなものに感謝して食べるという意味があります。
②できるだけ残さず食べる
日本では食事は残さずに食べるのが基本的なマナーです。
無理をして食べる必要はありませんが、できるだけ残さず食べましょう。
食べきれないと思ったら、食べ始める前に減らしてもらうようにしましょう。
③お椀は持って食べる・ふたは裏返して置く
ご飯が入ったお茶碗や、お味噌汁などの汁物のお椀は、片手で持って食べます。
テーブルに置いたまま食べるのはマナー違反なので、気をつけましょう。
ただし、焼き魚や天ぷらなどの主役のおかずの皿、数人分の料理が盛られた大皿などを持ち上げるのはNGです。
また、お椀にはふたがついている場合があります。
食べ始めるときにふたを外して裏返し、右の端に置いておきましょう。
食べ終わったら、ふたは元に戻します。
日本の食事のマナー:ご飯の並べ方
日本の食事は和食と呼ばれ、献立(食事の内容)は「一汁三菜」になっている場合が多いです。
一汁三菜とは、ご飯に、みそ汁などの汁物(一汁)と、主役のおかず1品とそのほかの小さなおかず2品(三菜)のことです。
献立が決まっているので、皿や茶わんなどの食器の置き方も決まっています。
【食事の並べ方】
- ご飯:左
- 汁物:右
- 主役のおかず:右奥
- 小さなおかず(漬物など):真ん中
- 小さなおかず(サラダなど):左奥
一汁三菜は和食の「理想の献立」なので、実際にはこれより少なかったり、多かったりすることもあります。
品数が違う場合でも「ご飯は左、汁物は右」は同じです。
日本の食事のマナー:覚えておくと良いご飯を食べる順番
欧米の食事とは違い、日本ではすべての料理がほぼ同時に出されます。
そのため、食べる順番のマナーも知っておきましょう。
日本人でも間違えてしまうことがあるマナーですが、仕事の人や取引先の人と外で和食を食べるときに、覚えておくと安心です。
はじめに食べるのは、汁物です。
汁物を最初に食べることで、お腹が温まり、食べ物を消化しやすくします。
また、箸(はし)を汁物で湿らせることで、粘り気のある米が箸にくっつくのを防ぐことができます。
汁物を最初に食べたら、そのあとは「味が薄いもの→味が濃いもの」の順番に食べます。
しょうゆやソースなどを使った味が濃いおかずを先に食べてしまうと、ご飯や野菜のおひたしなどの薄い味付けのものが物足りなく感じます。
ただ、はじめて食べるものは、どんな味なのかわからないでしょう。
そんなときは「汁物→ご飯→おかず」の順番に食べればOK。
そのあとにまた「汁物→ご飯→おかず」を食べ、これを繰り返します。
日本ではこれを「三角食べ」といい、バランスよく食事を食べることができる方法として知られています。
日本の食事のマナー:マナー違反とされているご飯の食べ方
日本の食事では「きれいに食べること」が重視されます。
そのため、見た目が悪かったり、汚してしまったりするのはマナー違反になります。
代表的なマナー違反を紹介します。
- 箸で皿をたたく
- 食器を置くときに音を立てる
- 手拭き用おしぼりで顔やテーブルを拭く
- 食べ終わった皿を重ねる
- 食べかけの食べ物を皿に戻す
- 箸を持っていないほうの手を皿のようにして食べ物の下に持って行って食べる
- 汁物を食べ終わったときに、ふたを裏返しにして戻す
- テーブルにひじをついて食べる
- お椀や皿を持たずに顔を料理に近づける
日本での食事マナーとして「箸(はし)」の使い方もチェック
日本では、箸を使う機会が多いです。
ステーキを出すような洋食店でも、ナイフと一緒に箸が提供されることがあります。
箸をきれいに持てると、見た目も美しく、食べ物も上手に取ることができます。
まずは箸の正しい持ち方を確認しましょう。
- 右手で、ペンを持つように親指と人差し指で箸の真ん中あたりをつまむ
- 箸をつまんだ親指と人差し指のあいだに、もう一本の箸を通す
- 上の箸は親指、人差し指、中指で持ち、下の箸は薬指で支えるようにして持つ
- 上の箸だけを動かして、食べ物をつかむ
置かれている箸を取るのにもマナーがあります。
- 右手で箸の真ん中をつまんで持ち上げる
- 左手を手のひらを上にして箸の下に持って行き、右手を右側にずらす
- 右手を箸の下に移動させ、正しい箸の持ち方をしてから左手をはずす
汁物が入ったお椀を持ったまま箸を取りたいときにも、持ち方のマナーがあります。
- お椀を両手で持つ
- 左手の手のひらを上にしてお椀を置き、右手で箸を取る
- 右手で取った箸を左手の人差し指と中指のあいだにはさむ
- 右手を箸の下にまわし、左手は箸から手を離す
日本の食事でやってはいけない箸の使い方とは?
箸を正しく使うと、一緒に食事をする人も気持ちが良いものです。
逆に、やってはいけない箸の使い方も確認しておきましょう。
【マナー違反の箸の使い方】
- 刺し箸:食べ物に箸を刺すこと
- 迷い箸:食べるものに迷って箸を食べ物の上でふらふら動かすこと
- 寄せ箸:箸を使って皿を引き寄せること
- ねぶり箸:箸先に付いた食べ物を口に入れてなめ取ること
- にぎり箸:手を握りしめて箸を持つこと
- 渡し箸:食事中に皿の上に箸を置くこと
- 移し箸:箸と箸でひとつの食べ物を持つこと
- 涙箸:食べ物の汁を垂らしながら運ぶこと
- 探り箸:食べたいものを探して混ぜること
- 返し箸:箸をひっくり返して箸を持つ部分で料理を取ること
箸を使うときには、箸をできるだけ汚さないように使います。
食べ物を取るときには、箸の先1.5~3cmくらいを使うようにしましょう。
箸を使わないときは、箸置きに置きます。
箸置きが無いこともありますが、皿に置いてしまうと「渡し橋」になるのでマナー違反です。
箸置きが無いときには、箸が入っていた袋を小さく折りたたんで箸置きの代わりにしたり、紙ナプキンにのせたり、おぼん(トレイ)の左側に箸先が少し出るように置いたりします。
和食のマナー・和室で食べるときのマナーも確認!
日本には、一汁三菜のほかにも特別なマナーが必要な食事もあります。
会席料理
宴会や料亭、結婚式などで出される料理では、料理がひとつずつ運ばれてきます。
出された順番に食べましょう。
刺身や天ぷらなど、いくつかの種類のものがまとめて盛り付けられている場合は、盛り付けが崩れないように食べます。
盛り付けを崩さないためには、左から右、奥へと順番に食べます。
寿司
寿司は箸で食べても手で食べても大丈夫です。
ガリ(ショウガの甘酢漬け)を食べるときだけは箸を使います。
しょうゆに付けたときにご飯がボロボロにならないよう、しょうゆはネタ(ご飯の上に乗っている食材)に付けます。
のりで巻いた軍艦巻きには、ガリをしょうゆにひたして、ガリを使ってしょうゆを塗るのも、きれいに食べるためのマナーです。
上司との食事で気をつけたいマナー
日本では、上司など目上の人と同じ席で何かをするとき、座る場所が決まっています。
座る場所のことを「上座」「下座」ということばで表現します。
簡単に言うと、上座に座るのは地位が高い人で、だんだんと下座にずれていきます。
出入り口から1番遠い席から上座、出入り口に1番近い席を下座と言います。
和室で食べるときに気をつけるべきマナー
たたみの和室で食事をすることもあります。
和室の気をつけたいマナーもあるので、紹介します。
①たたみのへりや敷居を踏まない
和室に入るときにはふすまを開けますが、ふすまの下にあるのが敷居です。
この敷居と、たたみの端にあるへりと呼ばれるふちどりの部分は、踏んではいけません。
②座布団にはすすめられてから座る
座布団があっても、すぐに座ってはいけません。
座布団の下座側で待ち、座るようにすすめられてから座ります。
座布団の位置も変えないようにしましょう。
③はだしで部屋に入らない
靴下など何もはかない状態のはだしで、和室に入ってはいけません。
靴下をかならず履きましょう。
上座や下座などは難しいので、わからないときはお店の人や同僚に聞いたりしても良いでしょう。
外国人のみなさんが間違えやすいことには食事のマナー以外に、ゴミの分別もあります。
こちらのコラムも読んでみてくださいね。
日本でのゴミの捨て方は?分別(わけ方)の方法や注意点などもご紹介!
まとめ:日本の食事マナーはたくさんある!まずは毎日のご飯で練習を
日本には食事のマナーがたくさんあります。
難しいですが、練習すればきっとできるようになりますよ。
和食ならではの皿の置き方など、毎日の食事で取り入れてみるのも良いですね。
箸にはやってはいけないことがたくさんあるので、しっかり確認しておきましょう。
和室ならではのマナーや、上司の方と食事をするときに気をつけたいマナーも、少しずつ覚えていきましょう!
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