日本でイスラム教徒が住むために知っておきたいポイントを確認
こんにちは、JAC(建設技能人材機構)の加納です。
日本では、イスラム教を信仰するイスラム教徒の人口が増えています。
また、近年は観光や仕事などで日本を訪れるイスラム教徒の数も増加しています。
しかし、元々日本のイスラム教徒の人数は多くなかったため、イスラム教について詳しく知っている日本人が少ないです。
今回は、イスラム教徒が日本で快適に住むために、事前に知っておくべきことや対策を紹介します。
日本でイスラム教を信仰している人はどのくらい?
イスラム教は、世界三大宗教のひとつです。
2024年現在、世界のイスラム教徒の人口は約19億人です。
日本のイスラム教徒の人数は、推定30万人以上といわれています。
ただし、この人数には、在留資格を持つ外国人イスラム教徒と日本人イスラム教徒の両方が含まれています。
日本でのイスラム教への関心は高まりつつあり、2021年9月時点で、日本国内のモスクの数は110を超えています。
日本でイスラム教徒が住むために知っておきたいポイント
日本ではイスラム教への関心が高まり、イスラム教徒の人口も増加しています。
しかし、多くの日本人はイスラム教の文化、習慣、宗教観についてあまり知りません。
そのため、イスラム教の人たちが日本で快適に暮らすためには、日本人にイスラム教について知ってもらうことが必要です。
ここからは、イスラム教徒が日本に住むときに、日本の友人や会社の人に伝えておくと良いことや対策を紹介します。
食事に関すること
豚肉や酒など、信仰によって禁じられている食材があることを知らない日本人もいます。
一緒に食事に行くときは「この食材は食べられない」など、事前に細かく伝えると良いです。
その他、次のような対策ができます。
- ハラールに対応した料理や店があるか調べる
- 料理の食材に何が使われているか確認する
- 豚肉や酒に触れた調理器具を使っていないか確認する
- 自分で作ったものを持って行く
日本でも、ハラール対応の店や食品は増えていますが、まだ少ないです。
学校や会社の食堂でも、料理にどのような食材が使われているかを事前に聞いておきましょう。
確認ができない場合や、料理から取り除くことが難しい場合は、自分で作ったものを持って行く方法もあります。
ただし、飲食店の場合は、自分で作った料理の持ち込みが禁止されていることがほとんどなので、注意してください。
箸やスプーン、フォークなどは自分で用意したものを持ち込むことができます。
ラマダンに関すること
イスラム教のラマダンについて、詳しく知っている日本人は少ないです。
ラマダンについて、次のことをしっかり伝えておきましょう。
- 1年に1回あること
- 期間が1カ月程度あること
- 日中の飲食ができないこと
- 日没から翌日の日の出前までは飲食ができること
日中は水を飲むこともできないので、日本で働く場合は、会社に以下の対策をお願いしましょう。
- 仕事の時間を夜間に変更してもらう
- 他の人が食事をしている時間は別の部屋で過ごさせてもらう
特に夏の時期は、脱水の危険があります。
可能であれば、働く時間を夜に変更できるか確認してみてください。
礼拝に関すること
イスラム教では、1日に5回、メッカの方向に向かって礼拝をしますが、礼拝の詳しい作法を知らない日本人も多いです。
日本で働く場合は以下の内容を伝えましょう。
- 礼拝をする時間
- 礼拝をする回数
- 礼拝1回あたりにかかる時間
- 男女別々に礼拝したいこと
- 礼拝をする場所が必要なこと
- 礼拝の前に手足の洗浄が必要なこと
礼拝のために、専用の部屋を用意してもらうことが難しい場合もあります。
狭くても、オフィスの隅の綺麗なスペースなどで礼拝が可能なことを伝えると、会社の人に対応してもらいやすいです。
習慣に関すること
イスラム教に関する習慣についても、細かく伝えておく必要があります。
例えば、次のような習慣です。
- 左手は不浄とされていて、できるだけ右手を優先すること
- 家族・親戚以外の異性とは接触できないこと
- 人前で裸になることは禁じられていて公衆浴場は入れないこと
日本で行われているイスラム教徒への対応
日本でも、多くの学校や会社がイスラム教徒が快適に暮らせるように工夫や取り組みをしています。
日本で行われている、イスラム教徒への対応を少し紹介します。
日本の学校での対応の例
- 体育の授業では、肌が見えない服の着用を認める
- 男女が一緒に入るプールの授業は見学を認める
- 身体測定で異性の医師や教員が担当しないように配慮する
- クリスマス会や節分など他の宗教に関わる行事は欠席が認められる
- 給食ではなく弁当を作って持ち込むことを許可する
日本の会社での対応の例
- 食堂でハラール料理を提供する
- 礼拝する部屋、手足の洗浄ができる場所を設ける
- ハラール料理と普通の料理の調理用具や皿を分ける
- ハラール料理のデリバリーを紹介する
日本での対応の工夫
イスラム教徒の中でも、人によって生活環境や、求めることは異なります。
イスラム教徒一人ひとりの要望を細かく聞き取り、その人に合った対応をしてくれる学校や会社もあるため、不安があれば入学前・入社前に確認しましょう。
日本の多くの学校や会社では、礼拝専用の部屋がありません。
ただし、「礼拝をする必要がある」と相談すれば、できる範囲で対応してくれることがあります。
礼拝のための部屋や空間をつくってくれる学校や会社もあります。
必要なことや、禁止されていることを、細かく伝えることで、イスラム教徒も日本で快適に過ごすことは可能です。
まとめ:日本でイスラム教徒が快適に過ごすには「伝えること」が大切
日本でもイスラム教徒の人口は増えています。
しかし、日本ではイスラム教について詳しい知識を持っている人が少ないです。
そのため、礼拝のことや、食べてはいけないもの、禁止されていることなど、知らない日本人は多いです。
大切なのは、イスラム教徒の人々が、自分たちの望むことを日本人に伝えることです。
「礼拝の場所を用意してほしい」「豚や酒は食べられない」など、細かく伝えることで、日本でも対応できることは多いです。
近年、イスラム教徒の人が増えていることで、イスラム教徒に対応できる学校や会社も増加しています。
まずは、周りの人に、イスラム教のことを伝えることが大切です。
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