日本の働き方の特徴を解説!日本人は本当に働きすぎ?

こんにちは、JAC(建設技能人材機構)の加納です。

「日本の働き方」と聞いて、外国人の方は「残業が多い」「働きすぎではないか」と思っている人も多いかもしれません。

今回は、日本の働き方の特徴や最近の働き方の変化をわかりやすく紹介します。

「日本で働きたい!」と思っている人は、ぜひ最後まで読んでください。

日本の働き方の特徴を知ろう!

これから日本で働きたいと考えているなら、日本での働き方の特徴を知っておくと安心です。

日本の働き方の特徴

日本の働き方には、こんな特徴があります。

  • 時間を守る
  • 丁寧に仕事をする
  • チームワークを重視する

それぞれの特徴について、詳しく紹介します。

特徴① 時間を守る

日本では、時間を守ることが基本的なマナーです。

仕方がない理由(電車の遅延や事故など)がある場合を除き、遅刻はとても厳しく注意されます。
数分の遅刻でも、事前に連絡するのが一般的です。

後ほど紹介しますが、日本では、みんなで協力して仕事をすることが大切にされています。
遅刻をすると、ほかの人に迷惑をかけてしまいます。
そのため、うまくチームで仕事をするためには、「時間を守ること」がとても大切です。

一方で、時間に対してより柔軟な考え方を持っている国もあります。

国によって、重視することは違います。
日本と異なり、人とのつながりや、状況に合わせて柔軟に働くことをより重視する文化の国もあります。
そのような国では、時間に対して柔軟な考え方が合っていると言えます。

【日本で働くときのポイント】
仕事や会議の5分から10分前には、約束の場所に到着するようにしましょう。
例えば、仕事の約束が10時の場合は、9時50分から9時55分までに約束の場所に到着するようにします。

出勤するときも、始業時間の10分前には会社に到着するように家を出るのが一般的です。
ただし、会社によって考え方が違うため、同じ会社の人に聞いておきましょう。

特徴② 丁寧に仕事をする

日本では、仕事を丁寧に進めることが重視されます。
この仕事への取り組み方が「日本製は信頼できる」という評価につながっています。

仕事の進め方は、上司に教えてもらうことができます。
日本の企業では、入社後に上司が指導役となり、実際の仕事を通じて少しずつ覚えていくのが一般的です。
そのため、未経験の仕事でも挑戦しやすいのが特徴です。

効率性を重視する国では日本ほど丁寧な仕事の進め方や教育はしないかもしれません。

それぞれの国に合った方法がありますが、日本では特に「丁寧さ」を大切にしています。

【日本で働くときのポイント】
仕事をするときは、「報告・連絡・相談」が大切にされています。

わからないことがあれば、すぐに上司や先輩に相談しましょう。
わからないまま、自分で仕事を進めてはいけません。
質問することは恥ずかしいことではなく、仕事を正確に進めるために必要なことです。

特徴③ チームワークを重視する

日本では、個人よりもチームや会社全体で目標を達成することを大切にする会社が多いです。

そのため、別の部署やチームの中で協力しながら仕事を進めることが一般的です。
お互いに助け合い、情報を共有することが重視されています。

会議が多く、時間をかけて話し合うこともよくあります。
これは全員が納得して仕事に取り組むためにも大切なことです。

【日本で働くときのポイント】
自分の成果や評価だけではなく、「チームの目標を達成できているか」も意識しましょう。
仕事が終わっていない人がいたら「手伝えることはありますか?」と声をかけることも大切です。

最近の日本の働き方の変化

日本では「働き方改革」が進められています。

働き方改革によって、次のような労働時間や休みに関するルールが整備されました。

  • 残業時間は月45時間・年360時間を上限とする
  • 年10日以上の有給休暇がある人は、最低5日の有給休暇を取得する
  • 週に2日休めるようにする

有給休暇は、給料が減らない休みのことです。
6カ月以上同じ会社で働くと、年間で10日の有給休暇をもらえます。

最近では、国も会社も協力して「休みをしっかり取る」働き方を大切にしています。
例えば建設の仕事では、国や都道府県が発注する工事の場合、原則すべての工事で週2日の休みを取れるような計画が立てられています。
また、季節に合わせて「暑い季節は休みを増やす」など、働き方を調整する取り組みも始まっています。

こうした働き方改革は、日本人だけでなく、外国人の方にとっても働きやすい環境づくりにつながっています。
残業時間が減ったり、休みが取りやすくなったりすることは、日本で働く外国人の方にとっても大きなメリットといえるでしょう。

このような働き方の変化は、今後もより良い方向に進んでいくことが期待されています。

日本人は本当に働きすぎ?

外国の方からだけではなく、日本国内でも「日本人は働きすぎ」と言われることがあります。
そのため、「日本ではみんながとても長い時間働いている」と思っている人も多いかもしれません。

しかし、統計データを見てみると、その印象とは異なる現実も見えてきます。

OECDデータが示す日本の年間平均労働時間

OECDが発表した、OECD加盟国の年間平均労働時間では、日本は38カ国中22位です。
OECD:Average annual hours actually worked per worker(2024年)

この調査によると、2024年の日本の年間平均労働時間は1,617時間でした。
これは、OECD平均の1,736時間よりも短いです。

また、G7(主要7カ国)の年間労働時間は以下の通りです。

  • ドイツ:1,331時間
  • フランス:1,491時間
  • イギリス:1,512時間
  • 日本:1,617時間
  • カナダ:1,697時間
  • アメリカ:1,796時間
  • イタリア:1,796時間

この結果から、「日本人は働きすぎ」という印象と、実際の働く時間には違いがあることがわかります。

なぜ「働きすぎ」の印象が定着した?

労働時間はそれほど長くないのに、なぜ「日本人は働きすぎ」という印象を持たれているのでしょうか?
これにはいくつか理由があります。

日本人の国民性

仕事に関連する日本の国民性の一つに、「時間や品質を重視すること」があります。

会社や人によって程度は違いますが、その国民性は次のような行動に表れています。

  • 納期に間に合わせるために残業をする
  • 電車が止まるなどの急な交通トラブルがあっても出社する
  • 納品前に複数人で何度も確認を行う
  • 休憩中・休日中でも仕事の電話に出たりメールを確認したりする など

このような行動が「日本人は働きすぎ」という印象につながったと考えられます。
しかし、これらの国民性は、日本の製品やサービスの質の高さ、時間の正確さという信頼にもつながっています。

固定残業制度

日本には「固定残業制度」を採用している会社があります。
固定残業制度とは、決められた時間分の残業代が、最初から毎月の給料に含まれている制度です。

この制度があることで、「日本では残業が当たり前」という印象を持つ人もいます。

しかし、この制度にはメリットもあります。
例えば、実際に残業をしなくても、決められた時間分の残業代が支払われます。
決められた時間をこえて残業した場合は、その分の追加の残業代が支払われます。

働く時間での評価

特に1955年から1973年の日本は景気が良く、働けば働くほど商品が売れる時代でした。

そのため、「どれだけ長く働いたか」を評価されることが多かったです。

そのために残業をして、家庭より仕事を優先する考え方も当たり前でした。
家族と過ごすより働いて稼ぎたい人も多く、24時間営業の店もたくさんありました。

また、給料が出ないのに残業をする「サービス残業」もたくさん行われていました。
これは「給料が支払われなくても働く」という仕事への意欲が評価につながることもあったからです。

でも、これは昔の日本の働き方です。
先ほど説明した通り、今は「働き方改革」が進み、労働時間が減っています。

過去には、このような商品のキャッチコピーがありました。

  • 24時間、戦えますか?
  • 風邪でも、絶対に休めないあなたへ

しかし、「24時間働くのはおかしい」「風邪なら休むべき」などの意見がたくさん出ました。
「長時間働くことが良いこと」という考え方は、変わってきています。

家族との時間、自分の時間も大切にできる働き方に変化しているため、安心して日本で働いてほしいと思っています。

まとめ:日本の働き方の特徴は近年変化しつつある

日本の働き方には、「時間を守ること」「丁寧に仕事をすること」「チームで協力しながら仕事を進めること」の3つの特徴があります。
これらの特徴は、日本の働き方の価値観として、多くの企業で大切にされています。

また、昔は「家庭より仕事が優先」や「残業は当たり前」という考え方が強くありました。
しかし、最近では政府の「働き方改革」によって少しずつ変化してきています。

OECDの統計を見ても、日本の労働時間は世界的に見て長いわけではありません。
ただし、過去の働き方の影響から「働きすぎ」という印象はまだ残っているともいえるでしょう。

今後、日本の働き方はさらに変化し、外国人の方にとっても働きやすい環境になっていくことが期待されています。
ぜひ、日本で働くことを前向きに考えてくれたら嬉しいです。

 

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