【日本の食文化】なぜ日本人は生の魚(お刺身やお寿司)を食べるの?

こんにちは、JAC(建設技能人材機構)の加納です。

日本に来た外国人の中には、日本人が魚を生で食べることに驚く人もいます。
日本人は生の魚をお刺身やお寿司にして日常的に食べていますが、なぜなのでしょうか。
今回は、日本人がお刺身やお寿司を食べる理由と歴史についてお伝えします。

日本人が生魚をお刺身やお寿司で食べる理由と歴史

なぜ日本人が生魚を食べるようになったのか、その理由を紹介します。

理由①:地理的環境の影響

生の魚を食べる習慣につながった理由の一つは、「国が海に囲まれている」という地理的環境です。
海に囲まれているため、新鮮な魚が手に入りやすく、生で食べても問題が少なかったと考えられます。

また、日本は稲作に適した気候で、牧畜よりも稲作が大きく発展しました。
牧畜は発展しなかったため、肉を手に入れるのが困難でした。
そのため、手に入れやすい魚がよく食べられるようになったといわれています。

理由②:宗教の影響

日本では、仏教の教えから肉食を禁止していた時代がありました。

肉食禁止令が出されたのは、675年。
肉食が解禁されたのは、それから約1,200年後の1871年頃です。
肉食禁止令が出されていた間、肉食への制限が厳しい時期と緩い時期がありましたが、肉食を避ける食文化は長く続きました。

そのため、肉に代わりに、魚を使った食文化が発展したといわれています。

理由③:保存性の高い調味料を使った食文化が発展していた

日本では古くから、わさびやしょうゆ、酢などの調味料が使われていました。
それらは殺菌効果が高く、生の魚の鮮度を保つのに適しています。

例えば、お寿司は甘酢を使った「なれずし(NAREZUSHI)」が起源だといわれています。
なれずしは、甘酢を加えた米に川魚をのせて、一晩置いてから食べるものです。

最初は、米は食べずに魚だけを食べていましたが、後に米も食べるように変化していきました。


ちなみに、韓国にも「フェ(회/hoe)」という日本のお刺身に似ている料理があります。
「フェ」は白身魚が多く、生きたまま調理することが特徴です。
「サムジャン」「チョジャン」という甘辛いタレを使うことが多いですが、しょうゆやわさびも使います。

日本のお刺身やお寿司は安全?

現在、日本の水産業は厳しい規制と管理が行われていて、スーパーや市場で売っている魚やレストランで提供される魚は安全性が高いです。

スーパーで売っている生魚には、「消費期限」が書かれていることがあります。
消費期限とは、食品を安全に食べることができる期限のことです。
消費期限が過ぎたものは食べてはいけません。
※消費期限と似ている「賞味期限」というものもあります。賞味期限は、食品をおいしく食べられる期限を示します。お菓子や缶詰など長く保存できる食品に表示されます。

ただし、新鮮な生魚でもまれに食中毒が起こることがあります。
アジやサバなど、一部の魚では「アニサキス」という寄生虫によって食中毒が起こります。
また、生牡蠣では、ウイルスが原因で食中毒を起こすことがあります。

基本的には安全に生の魚を使った料理を楽しむことができますが、もし生の魚を食べた後に腹痛や吐き気などの症状が出た場合は、すぐに病院に行きましょう。

日本で食事を楽しむなら、日本での食事のマナーを知っておくと安心です。
こちらのコラムもぜひ読んでみてくださいね。
日本の食事マナーを知ろう!NGなご飯の食べ方も確認!

まとめ:日本人が生の魚(お寿司やお刺身)を食べるのには歴史的な背景があった!

海に囲まれた国である日本は、古くから魚を生で食べる文化が根付いていました。
仏教の教えから肉食が禁止されていたり、肉が手に入りづらい環境だったことも影響しています。

しょうゆ・わさび・酢など、殺菌効果の高い調味料を使った食文化が発展していたこともあり、生の魚を衛生的に食べることができたことも理由の一つです。

日本の生の魚は基本的には安全ですが、まれに食中毒を起こすことがあります。
もし、生の魚を食べて体調が悪くなったら、すぐに病院に行きましょう。

 

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