外国人が受ける日本語能力試験とは?種類やレベルも紹介

こんにちは、JAC(建設技能人材機構)の円倉です。

外国人の皆さんが受ける「日本語能力試験」には、どんなものがあるか知っていますか? 有名なのはJLPTという日本語能力試験ですが、日本語能力試験はほかにもあります。

日本語能力試験について、くわしく紹介しますので、次の悩みがある人は読んでみてくださいね!

「なぜ日本語能力試験を受けたほうがいいのか?」

「どんな種類の試験があるのか?」

「日本語能力試験のレベルが知りたい」

「どのくらいのレベルがあればいいのか知りたい」

外国人が受ける日本語能力試験とは?

日本語能力試験とは、日本語を母国語としない外国人が「日本語がどのくらい理解できるか」を知るためのテストです。

日本の会社が外国人を雇(やと)う時の判断基準のひとつになることもあります。

また、日本語能力試験を受けることが必要なケースもあります。特定技能の在留資格ではたらくためには、日本語能力試験を受けなければなりません。

たとえば、外国で医師免許を持っている人が日本の医師等国家試験を受験するためには、日本語能力試験を受験し、求められるレベルの認定を受ける必要があります。

日本語能力試験を受験するメリット

日本語能力試験を受けることでよいこともあります。
学校の単位や卒業資格認定(卒業できるレベルであることを認めること)、社会的な資格認定になることがあります。

また、日本ではたらくときに、給料があがったり、希望の仕事につきやすくなることもあるでしょう。

ほかに、日本の出入国管理上で有利になることがあります。
日本語能力試験JLPTのN1・N2の合格者は「高度人材に対するポイント制による出入国管理上の優遇(ゆうぐう)制度」で、ポイントに応じて有利な条件が与えられます。

優遇措置では複数の在留資格の活動ができたり、5年の在留期間(日本に住める期間)がもらえたりします。

高度人材に対するポイント制による出入国管理上の優遇措置の内容について、くわしく知りたい人は出入国在留管理庁のWebサイトを見てください。

外国人が受験する日本語能力試験の種類は?

日本語能力試験の種類はいくつかあります。
目的や資格取得にあ合った試験を選ばなくてはなりません。

日本でもっとも有名な日本語能力試験は、日本語能力試験 JLPT(Japanese Language Proficiency Test)です。

日本語能力試験JLPTは7月と12月に受けることができます。
そして、日本ではほとんどの都市で受験できます。
海外でも、試験会場があれば受験できます。

日本国籍を持っている外国人も、母国語が日本語ではない人なら、受験できます。
年齢制限もありません。

仕事で使われる日本語を中心とした日本語能力試験では、BJT ビジネス日本語能力テスト(Business Japanese Proficiency Test)がよく使われます。

日本語能力試験には、ほかに次のような種類があります。

  • J.TEST 実用日本語検定
  • 日本語NAT‐TEST
  • STBJ 標準ビジネス日本語テスト
  • TOPJ 実用日本語運用能力試験
  • J‐cert 生活・職能日本語検定
  • JLCT 外国人日本語能力検定試験
  • PJC 実践日本語コミュニケーション検定
  • JPT 日本語能力試験

これらの日本語能力試験にはレベルがあります。
次で、試験のレベルについて、くわしく説明します。

外国人が受ける日本語能力試験にはレベルがある

外国人が受ける日本語能力試験にはレベルがあるの見出し画像

先ほどもお話ししたように、日本語能力試験は「日本語能力試験 JLPT」がもっとも有名です。

日本語能力試験JLPTでは、「読む力(ちから)」と「聞く力」を判断します。
「話す力(スピーキング)」のテストはありません。

認定の目安としてN1(むずかしい)~N5(かんたん)まで5つのレベルがあります。

JLPTのレベルについて、かんたんに説明すると次のようになります。

認証の目安
N1 いろいろな場面で日本語を理解することができる
N2 日常的に使われる日本語と、ややむずかしい内容の日本語を理解することができる
N3 日常会話をある程度理解できる
N4 基本的な日本語を理解できる
N5 基本的な日本語をある程度理解できる
読む力
N1 新聞の論説(ろんせつ)などのむずかしい内容も理解できる
N2 新聞や雑誌などの、比較的やさしい解説が理解できる
N3 むずかしい文章は言い換えれば理解できる
N4 身近な話題について漢字を使って書いてある文章を理解できる
N5 ひらがな・かたかな、よく使う漢字がふくまれる定型文を理解できる
聞く力
N1 自然なスピードの日常会話が理解できる
N2 自然なスピードで、まとまりのある会話が理解できる
N3 少しスピードを落とした会話であれば、話の内容や人物関係をほとんど理解できる
N4 少しゆっくり話せば、全体的な内容はほとんど理解できる
N5 よく聞く内容を、短い会話でゆっくり話せば、必要な情報を聞き取ることができる

もっともむずかしいN1は、医者などの国家試験や日本の准看護師試験(海外で看護師学校養成所を卒業した人が受験できる)、介護福祉士などを受験するために必要です。

N1は、日本人でもむずかしいと感じる内容だといわれています。

はたらきたい企業や職種によってはも、N1の認定が必要になることがあります。

N2やN3に合格していれば、ふだんの生活でも仕事でも、問題なく会話が成り立つでしょう。

N4やN5は、 かんたんな漢字をつかった日本語の文を読むことができ、ゆっくりとしたスピードであれば日常的な会話が理解できるレベルです。

EPA(経済連携協定)にもとづく、インドネシア、フィリピン、ベトナムから来日する看護師・介護福祉士の候補者は、インドネシア・フィリピンはN5程度、ベトナムはN3以上の認定が必要です。

建設分野の特定技能1号は、N4のレベルが必要です。
では、N4レベルって、どのくらい日本語を聞いて、読んで、話せるレベルなのでしょうか?

N4レベルの日本語能力試験JLPTの問題例をご紹介しますね。

   の ことばは どう かきますか。1・2・3・4から いちばん いい ものを ひとつ えらんで ください。

ふねで にもつを おくります

1、近ります

2、逆ります

3、辺ります

4、送ります

   のぶんと だいたい おなじ いみの ぶんが あります。1・2・3・4から いちばん いい ものを ひとつ えらんで ください。

パスポート ばんごうを しらせて ください

1、パスポート ばんごうを うつして ください。

2、パスポート ばんごうを なおして ください。

3、パスポート ばんごうを きめて ください。

4、パスポート ばんごうを おしえて ください。


出典:日本語能力試験公式ウェブサイト「問題例に挑戦しよう」N4問題例:言葉知識(文字・語彙)

JLPTのレベルN4は、JLPT以外の試験ではどのくらいのレベル?

日本語能力試験はJLPTがもっとも有名ですが、ほかにもたくさんの種類の試験があります。

ほかの試験で、日本語能力試験JLPTのN4と同じくらいのレベルを紹介します。

  • J.TEST:D-Eレベル試験で350点以上
  • NAT-TEST:4級以上
  • 標準ビジネス日本語テスト:BJ4以上
  • TOPJ:初級A-4以上
  • J-cert:ベーシックコース A2.2(準中級)以上
  • JLCT:JCT4以上
  • PJC Bridge:Bレベル
  • JPT:375点以上

まとめ:外国人が日本ではたらくには日本語能力試験の受験が必要な場合がある

日本語能力試験は、外国人がどのくらい日本語を理解しているかを知るためのテストです。

日本語能力試験のうち、もっとも多く受験されているのはJLPTですが、ほかにもさまざまな日本語能力試験があります。

日本で仕事をするためには、絶対に日本語能力試験を受験しなければならない場合があります。

日本語能力試験で一定以上の認定を受けていると、優遇措置を受けられるメリットもあります。

日本でもっとも有名な日本語能力試験 JLPTでは、レベルがN1からN5まであります。
そして、企業や仕事によって、求められるレベルがちがいます。

 

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